長寿食で行こう!第1回「福島の新米、みそ、そして柿」(永山久夫)
天下一品のみそおにぎり
福島の米はうまい。
のどが唸るほど、うまいのです。
とくに新米ごはん。ほのかな甘味が、口の中いっぱいに広がり、いくらでも、いくらでも食べられる。
米がとれたらよォ
米のおまんま
食えるよォ
富士の山ほどよォ
生みそ添えてなア
昔、秋になると村のみんなで歌っていた新米の唄。私の村は浜通りの双葉郡楢葉町です。
ふっくらと炊きあがったご飯を、でっかいお握りにして、生みそつけただけなのに、どうしてあんなにうまかったのだろう。
握ってくれた母の親心が、こもっていたから美味だったんだろうなア。ほら、食え。一年間待っていた新米飯なんだからな、しっかり食べろよ。
両手でないと持てないほどの大きさ。生みその甘い香りが、とっても懐かしい。しかし、いくら食べても、すぐに腹がへった。生みそには、消化酵素や酵母類が含まれているから、消化がとってもよいのです。
浜通り、中通り、会津地方と、福島の水田は標高が少しづつ高くなっていく。みんな土地が肥えて、水がよいからそれぞれうまい。
生みそお握りにして食べると、福島の米の美味さがよく分かるんです。
甘い柿とモズ
新米のできる頃になると、庭先の甘柿が色づく。昔はたいがいの家の庭に甘柿と渋柿が植えられていました。まず、甘柿から食べ始め、あらかた無くなる頃に、山からモズがやってきて村の人たちに、冬の近さを告げます。
霜の来る頃になると、今度は渋柿もやわらかくなって甘い熟し柿に。渋柿のほとんどは皮をむいて干し柿にします。甘柿にはお肌の若さを保つビタミンC、干し柿には若返り効果のカロテンがたっぷり。
福島県に美人が多いのは、うまい米とみそ、そして柿のせいかもしれないなア。
この記事を書いた人▷食文化史研究家 永山久夫(ながやま・ひさお)
食文化史研究家 。食文化研究所、綜合長寿食研究所所長。元・西武文理大学客員教授。食事復元研究の第一人者。長寿食や健脳食、長寿村の食生活を長年にわたり調査している。
(味噌おにぎりについては福島美味ブランドプロジェクトのこちらのページでもご紹介しています)
<「福島美味めぐり」2014年創刊号より一部加筆して転載>
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永山久夫さんの記事、テンポが良くて「わらべうた」のように愉しいですね!これからも、おいしく食べて健康になれる日本のすばらしい『食文化』について、先生にはコメントをしていただきます。ぜひ、感想を編集部宛にお寄せくださいね。美味ブログでは福島の魅力や味噌発酵文化なども含めてなどおいしい情報をさまざまな書き手が綴っていきます。「こんな特集をしてほしい!」という美味ブログへのリクエストなどもお待ちしています。
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2014.10.31