株式会社 星工務店会津エリア

星 隆行さん
豪雪地である南会津町南郷地区で一般木造建築業を営む「株式会社 星工務店」。オリジナル工法で「他にない暖かい家を造る」という株式会社 星工務店の代表取締役 星 隆行(ほし たかゆき)さんに話を伺った。

2つの自社オリジナル工法

星工務店は昭和33年の創業以来60年余りの実績があり、南会津だけでなく広く会津地域で木造建築事業を展開している。
この工務店には他にない2つの強みがある。ひとつは壁に従来の“筋かい”を使わずに構造パネルを使用し面で支えるようにする『新在来パネル工法』。そしてもうひとつは壁の内側と外側に従来のグラスウールではなく“ネオマフォーム”という国内最高性能の断熱材をサンドイッチ状に施工する『ダブル断熱工法』。ともに星工務店オリジナルの工法であり、他にはない高耐震化と高断熱化を実現している。
暖かくて家族がホッとできる家を造りたいという星さんの思いがここにある。

この「良さ」はどうしたら伝わるのか

しかしこの『高耐震化』と『高断熱化』は“構造”や“工法”というお客様は直接見ることのできない部分であり、本当の良さを十分に伝えることができないでいた。また、営業マンが社長一人しかいない現状のなか、集客の柱でもある完成見学会や構造見学会もコロナ禍で実施できない状況が続いた。そこでこれらの状況を打破するため、星さんの地元の先輩でもある経営指導員のいる商工会に相談することにした。

大切なのは共通意識とスピード感

商工会から経営革新計画の提案を受け、主に3つのことを実施した。まず断熱性能を理解してもらうため、ダブル断熱工法の模型を製作し『性能の可視化』を図った。また構造見学会になかなか参加できないお客様のために、完成してからではわかりづらい新在来パネル工法の耐震構造をいつでも紹介できるよう、施工の様子を記録した『動画を活用』することにした。多くの人に見てもらえるようYouTubeにもアップロードする。さらにコロナ禍で見学会に参加できないお客様のためにZoomで『オンライン見学会』も実施した。このオンラインでの実施は現状の商圏外からの集客にも効果が見られた。これらの実施で成約期間の短縮や成約率の向上に成果が得られた。
星さんは「商工会に相談することで、自社の強み弱みや課題を整理することができました。現状を包み隠さず伝えて共通意識を持ち、気持ちが冷めないうちに実施するスピード感が大切だと感じました」と語った。

手書きの温もりが家の暖かさに通ずる

星さんは、縁のあったお客様に必ず色鮮やかな筆書きで『手書きのお礼状』を贈っている。「家を建てて終わりではなく、アフターフォローという意味でもお客様とのつながりを大切にしたい」と、今ではその数500通にも上る。
今後の星工務店の事業展開として、まずは令和4年春に田島にモデルハウスを造る。「完成見学会などこちらの都合でお客様に来ていただくのではなく、いつでも来ていただいて自社オリジナル工法による『暖かさ』を実際に体感してほしいんです」と力を込めて話す。
また施工では『長期優良住宅』や福島県内でも数%しか取得していない『耐震等級3』などを標準化してさらに独自性をアピールしていく。
他にない『暖かい家』とともに、星さんの書く『手書きのお礼状』もこれからどんどん増えていくに違いない。

株式会社星工務店
隆行
南会津郡南会津町界字上田下987
昭和33年(昭和39年6月法人化)
一般木造建築業
南会津町商工会
https://hoshi5610.com/

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