株式会社ヴィルタス県北エリア

八島慶徳さん
伊達市霊山地区で総菜の製造卸業を営む八島慶徳(やしまよしのり)さん。
東日本大震災の風評被害、コロナ禍で苦しむ地域産業の活性化のために、「関わる全ての人に、いつも笑顔でいてもらいたい」という思いで「国産原料メンマ」作りに取り組む。

Virtuous(ヴィルタス)= 徳(ラテン語)

父親の経営する漬物製造業「八島食品有限会社」の総菜部門を独立させ、主に、八島食品で取り扱わない中華総菜のメンマ、ザーサイを中心に製造販売。株式会社ヴィルタスは創業5周年を迎えた。
Virtuous(ヴィルタス)はラテン語で「徳」の意味。父:富徳さんから受け継いだこの字を社名に採用。当社がこだわる自然の恵み“野菜”を、お客様を始めとする多くの関係者に最高の形でお届けすることを日々心がけている。

福島のためになる仕事をしたい

メンマの原料は「マチク(竹の種類)」。ほとんどが中国産で日本では生育できない。日本国内に生育する『モウソウチク』も美味しいメンマの原料に適しており、当社の原料も「モウソウチク」。
しかし、最近では原料として竹を取る農家や業者がほとんどおらず、各地でうっそうとした竹藪が増え、景観上の問題となっている。
そこで八島さんは、竹藪を形成する「モウソウチク」を原料にメンマを作って日本の国民食でもあるラーメンに国産メンマを使ってもらいメンマ市場が拡大できたら、地元の農家や業者が“竹”を取ることで景観問題だけでなく地域の新たな産業に発展し、ひいては地域活性化に繋がるのではないかと考えた。
しかし、原発事故以降、今も福島県産のタケノコ出荷には制限がありそれは伊達市も例外ではなく、地元産の竹は原料として使えない。10年経っても変わらないこの風評被害、先の見えない「もどかしさ」と闘いながら、他の地域原料による国産メンマを作っている。

ブランド力UPへ前進

ヴィルタスの強みは「手作業」へのこだわり。原料選別から湯もどし、味付けまで全て手作業。機械に頼らないことで味に深みが出るという。高品質で安心安全な国産原料のメンマはバイヤーの評価が高く関東の百貨店、スーパーなどで扱われているが、ヴィルタスの知名度はまだまだ。大規模展示会に出展しても素通りされることも多く「ブランド力」という壁の高さを痛感していた。
そんな中で商工会に相談。ブランド力向上のため様々なアドバイスを受けた。持続化補助事業で新ロゴマーク(野菜をテーマに自然に感謝する意味を込めた)を作成するなどメンマに重点を置いた販路拡大に取り組んだ。社内でも様々な意見を交わし業務用に特化したECサイト『memma.com(メンマドットコム)』を立ち上げるなどwebサイトも刷新した。

商品ストーリー+食シーンの提案

商工会から、補助金を活用しブランド力向上の支援を受け、事業を展開していくうちに少しずつ知名度も上がってきたことを実感。東京の展示会では「ヴィルタス」の社名で商談に来てくれるバイヤーも増加、コラッセふくしまの物販イベントでは一般のお客様ファンが遠方からわざわざ来てくれるなど手ごたえを感じた。
「地道な知名度アップキャンペーンも大事ですが、メンマのストーリー、食のシーン(食べ方、レシピなど)を伝えることがとても大切だと思っています。そのためにはアイデアがまだまだ不足しています。」と語る八島さん。常に前向きな課題をもって仕事をしている。

いつか福島産原料のメンマを

「商工会はどんな相談をしても必ず答えをくださるので助かります。」
八島さんは全国に「メンマなら福島のヴィルタス」のイメージを定着させるため、商工会の経営指導員と密に連絡を取り、課題解決に取り組んでいる。
そして、「地元生産者や企業と組んで“メンマ”の大産地にするのが夢です」と語る。
いつの日か八島さんの夢は現実になり福島県伊達産の原料を使ったメンマが全国各地に流通。その商品にはヴィルタスマークがついているに違いない。

株式会社 ヴィルタス
八島慶徳
伊達市霊山町下小国字袖向48-3
平成28年11月
総菜製造業
伊達市商工会
http://virtuous-inc.com/profile3.html

福島県商工会連合会イノベーションサポート INNOVATION SUPPORT

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