協信産業有限会社 会津坂下インターSS河沼郡会津坂下町

大竹史高さん
磐越道・会津坂下インターチェンジを降り国道49号線に出ると、
田園風景の中、ガソリンスタンドのオレンジ色が目に飛び込んでくる。
立地の良さと丁寧な仕事で地域の交通を支える『会津坂下インターSS』だ。

以前、反発した家業を今、安定させ将来、段階的に引き継ぎたい

18歳、家族に反発

祖父が始めたガソリンスタンドは創業50年、大竹史高さんは3代目になる。18歳の時に、スタンドと併設のドライブインを守っていた父が急病に倒れた。周囲から「あなたは後継者だから、しっかりしなさい」と励まされたが受け止めきれず、飛び出すように他県の専門学校に進学した。
そこで取得した2級自動車整備士の資格を生かし、離れた都市で就職したが、帰省の度、後継ぎの話題で家族とケンカになった。数年後、人手不足が深刻となったことで戻り家業に就いたが、どこか理不尽な思いが残った。
『会津坂下インターSS』はインターチェンジに近いことと農村地帯という場所柄、ずっと地域交通のインフラの役割をになってきた。くしくも後継ぎに反発した時に得た整備士の知識が、大型車や農業用車両のメンテナンスができる強みとなって、大竹さんを助けている。
接客は苦手だったが、丁寧な仕事ぶりが評価され、顧客から「私の車はあなた以外に触らせたくない」と言われたことが勲章だ。

30歳、店も自分も進化の途中

資格の大切さを痛感した大竹さんは、2年前に危険物取扱管理者とENEOSオイルマスター認定証を取得した。同時期に洗車機も新調し、少しずつだが、自ら物事を決定し、実践している自分を感じた。
そんな姿を見て、隣でドライブインを切り盛りする姉から『会津坂下町商工会』を紹介される。当初は集客のための宣伝方法の相談だったが、経営指導員と話すうちに、事業承継に向けた話となった。
「今のうちから現状を客観的に把握分析し、安定した経営状況を構築する必要があることに気づきました」。
「継ぎたい」と思えるスタンドにすることを念頭に目指したのが、建物の陰で見えにくい洗車機の看板設置と、タイヤ販売のきっかけとなる新しいエアーキャリー購入。経営指導員に持続化補助金申請への支援を依頼、後日、無事採択となる。

32歳、体験から生まれた余裕と意欲

それまでの外観は、大竹さんが戻った時の雰囲気そのままで、新しい洗車機の商品訴求力が弱かった。機械の存在が一目でわかる様に外壁に大型看板を設置し、洗車内容・料金の文字・会員特典等をアピールした。ドライバーが給油を待つ間、文字が自然と視界に入るため、スタンドスタッフは洗車を勧めやすく、新規の利用者・会員獲得に「大貢献でした」。
またそれまで使っていた20年物のエアーキャリーは充填時間がかかり、使いづらくお客さんにも勧めづらいと、スタッフからも不評だった。大容量の新機種導入は、大型車への対応を可能し、待ち時間短縮や作業効率向上にもつながり、「こちらも大貢献でした」。
一番大きな変化は、給油の際「エアーチェックしましょうか?」と、積極的に点検を勧める気持ちの余裕が生まれたこと。接客が苦手だった大竹さんも、お客さんとの間にタイヤを触らせてもらう“きっかけトーク”がはずみ、関連の売上を伸ばした。
「経営指導員という第三者の視点から客観的に把握してもらうことで、課題や解決策・目標を自覚できました」。
今後はドライブインと共に、興味を喚起できる誘客のしくみを創出し、段階的に引き継ぎたいと考えている。
休日ドライブがうらやましい時もある32歳、3代目の覚悟と踏み出す一歩は思いのほか力強い。

協信産業有限会社 会津坂下インターSS 協信産業有限会社 会津坂下インターSS
大竹 史高
福島県河沼郡会津坂下町坂本字滝坂ノ上丙820−2
昭和46年7月27日
ガソリンスタンド
燃料・タイヤ販売

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