株式会社ウイング県中・県南エリア
東北初の軽トラ搭載型キャンピングカー代理店……
「仕事を生む時は、それまでの強みを意識する」という駒坂明彦さん。
次のチャレンジは、今までのノウハウを存分に生かせるキッチンカーだ。
車はライフライン
車好きの駒坂さんは学生時代に整備士の資格を取得。ディーラー勤務を経て15年前、家族の健康のために、空気の良い福島県に移り住んだ。中古の軽自動車2台からレンタル業をスタートさせた2011年、東日本大震災が起こった。除染関連のニーズにより一時的に需要は増えたが、3年程経つと下火に転じた。
その時の経験から、災害時での軽自動車の有用性と、東北エリアでは車がないと暮らしに支障をきたすことを実感した。
「たくさんの中古車を見、流通に精通した自分にできることは、車というライフラインを提供する仕事だ」との思いを強くしたという。
一昨年、ある異業種の経営セミナーで『トラベルハウス』の「軽トラック搭載型キャンピングカー」販売ディーラー募集を知る。震災の経験から、非常時のシェルターや拠点としても使える“箱”に可能性を感じたという。
高齢者に向けた視線
「仕事を生む時は、それまでの強みを生かすことを意識する」という駒坂さん。かねてより、軽自動車は地域に住む高齢者のパーソナルカーに適していると考えていたが、軽トラキャンピングカーも同様、高齢者に歓迎されるに違いないと確信した。
男性ひとりで荷台と“箱”を付け外しでき、布団を積むだけでキャンプに出かけられる手軽さ、自由な旅をカスタマイズするのに十分な空間を確保でき、何より安価。
「ディーラーとして名乗りを上げるのに迷いはありませんでした。その際、中小企業診断士の資格を持つ商工会スタッフから資金繰り計画等のアドバイスを受け、とても助かりました」。
直後から担当者と二人三脚で取り組み、採択された「小規模事業者持続化補助金」「ふくしま小企業者等いきいき支援事業」で、店舗屋根に『トラベルハウス』のロゴとマークを入れると、認知度が向上し、立ち寄りやすい店へとイメージアップ。さらにデモカーを作成し催事などへも積極的に参加したことで、商品の知名度を上げ、興味喚起につなげた。
「商工会は私の戦略パートナー。気軽に本音で補助金・助成金の相談ができましたし、複数の事業の情報を整理し、資金繰りを含めた長期的な経営計画を考えるきっかけになりました」。
仲間をつなぐ試み
駒坂さんは最近、キャンピングカーのアレンジであるキッチンカーに力を入れている。実際にたい焼きやクレープを売ってみて、ある現象に気づいたという。
「キッチンカーが1台で出店していると、警戒されるためか売りにくく、数台並ぶとイベントと認知され人が集まってくるのです」。体験から得た気づきを語る駒坂さんは、すこし得意気だ。早速仲間を募り、複数台でイベントに参加したら、「これがもう楽しくて!」。
コロナ禍が影を落とした2020年、テイクアウトのニーズが増えたことで、飲食部門が同社の売上を底支えしている。薄利になりがちな中古車部門は、新車を購入するまでのつなぎ需要に注目し、格安レンタカーを提案中。軽トラ搭載型キャンピングカーは、順調に受注を確保している。
駒坂さんが楽しく働く姿が人を集め、小さな“箱”の可能性を広げている。軽トラキャンピングカーの目的地はまだまだ先だが、きっと楽しい旅だろう。
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