中華料理 華正樓/豚饅よしのいわき・相双エリア

吉野康平さん
いわき市平下平窪に1984年から店を構える『中華料理 華正樓』。東日本大震災や台風被害、昨今のコロナ禍での厳しい状況を乗り越え2022年、新たに豚まん専門のテイクアウトの店舗『豚饅よしの』をオープンさせた。『中華料理 華正樓』の2代目で現在、料理長を務め、また『豚饅よしの』のオーナーでもある吉野康平さんに話を伺った。

我が子に落ち込む姿は見せられない

2019年の台風19号で店舗と自宅が1.8m浸水し、1階が全壊するなど甚大な被害を受けた。心が折れかけた矢先、自身に第一子が誕生し「我が子に落ち込む姿は見せられない」と店を建て直すことを決意したという。翌2020年1月に『中華料理 華正樓』を再開。「家族や友人、そしてたくさんのお客さまに助けられました」と感謝の気持ちを語る。
しかし時を置かず、新型コロナウイルスの蔓延で緊急事態宣言が出され、再び一ヶ月の休業を余儀なくされた。

「コロナは にくんでも 豚まんは にくまん」

苦境が続くコロナ禍で医療従事者も大変な状況にあることを知り、皆さんを元気付けたいといわき市の病院に“豚まん”を届けた。そこには【コロナは にくんでも 豚まんは にくまん】とユーモアを交えほのぼのとした手書きのカードが添えられていた。

2019年台風災害の経験から「食べ物があれば明日への活力になる。元気を出してほしい」という想いが込められている。
吉野さんになぜ“豚まん”なのか尋ねた。「“豚まん”は食材をぎっしり詰め込むでしょう?その食材には地元のものをたくさん使っているんです。たくさんの生産者の想いを届けられる。栄養価も高くて、冷蔵や冷凍もきく。それにうちの“豚まん”は少し大きめに作るので、1つでかなりお腹いっぱいになります。美味しいねと喜んでいただいて幸せな気持ちになってほしいですね」 何よりも自身が一番好きで“豚まん”以外には迷いはなかったと笑顔で答える。実際にこの“豚まん”の支援活動がSNSで話題になり、新聞の全国紙にも掲載された。

初め商工会って何をしているところなのか分かりませんでした

2019年の台風19号による災害復旧支援をきっかけに、地元の商工会に経営相談をするようになった。当時はまだ非会員であったが、担当の経営指導員は親身になって話を聞いてくれた。
2コロナ禍の医療支援でいわき市内の病院に“豚まん”を届けたように、日本中の災害の現場に元気を届けられるよう“豚まん”の加工場を作りたいと考え、相談内容をさらに深めていった。日々何度も話を重ねるうちお互いの信頼関係も築かれていき、事業計画や人材確保など事業化支援やブランディングをはじめとした認知向上支援に発展し、『豚饅よしの』のオープンに繋がった。
「事業計画書を作成して事業の見える化が出来たり、専門家から的確な助言をもらったり、補助金申請を手伝っていただいたり本当に有り難かったです。でも一番嬉しかったのは、一つひと つ成功した時に自分のことのように一緒になって喜んでくれたことですね」

“豚まん”でNO.1を取る

現在、『豚饅よしの』は実店舗だけでなくECサイト大手の“BASE”や福島県商工会連合会の通販サイト“シオクリビト”でも販売をし、受注に製造が追いつかないほど好評である。テレビの情 報番組でも度々紹介されている。
「いま毎年のように日本中で災害が発生しています。加工場があれば“豚まん”を被災地に届けられる。そんな想いで作ったのが『豚饅よしの』です。全国にうちの“豚まん”を届けたいですね」そう語る吉野さんの目に力が入る。
「頑張って通販でも売上げNO.1を取りたいです。うちが有名になることでいわき市や福島県が注目され、それがイメージの向上にも繋がると信じています」

現在、『豚饅よしの』では10種類の“豚まん”と“あんまん”を販売している。開店時間と同時にお客様が列を作ることも珍しくない。
熱々ホカホカ具だくさんの大きな“豚まん”と、温もりのある手書きのカードが、日本中の人のお腹も心も満たしていくだろう。

中華料理 華正樓
豚饅 よしの
中華料理 華正樓/豚饅よしの
吉野和久
吉野康平
福島県いわき市平下平窪四左エ門内152-6
福島県いわき市平下平窪2-1-1
昭和59年3月
令和4年2月
飲食業
飲食料品小売業
好間町商工会
https://butamanyosin.base.shop

福島県商工会連合会イノベーションサポート INNOVATION SUPPORT

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