株式会社 丸髙商事「焼肉店 丸長」いわき・相双エリア

髙橋英紀さん
最高級A5ランク以外に名乗ることを許されない「仙台牛」を中心に提供する『焼肉店 丸長』。
「鮮度にこだわり安価で提供」を経営理念に、コロナ禍でも“攻め”の姿勢を崩さない株式会社 丸髙商事の代表取締役 髙橋英紀(たかはしひでのり)さんに話を伺った。

希少な最高級「仙台牛」が一番の強み

『焼肉店 丸長』は鹿島本店(南相馬市鹿島区)と新地店(相馬郡新地町)の2店舗ある。「仙台牛」という名は、宮城県で育てられた黒毛和牛の中でも厳しい条件をクリアした最高ランクのものだけにつけられ、限られた店でしか扱うことができない。『焼肉店 丸長』では「取引業者との信頼も深く常に安定供給を実現している」という。独自に開拓したルートによりこの仙台牛を提供できるのが丸長の最大の強みである。また、牛の内臓肉(ホルモン)などの希少部位も鮮度に拘り安価で提供している。

店名の『丸長』は、髙橋さんの実家で江戸時代末期から7代続いている造り酒屋の屋号をそのまま使っている。焼肉店は、勤め人であった髙橋さんが飲食事業を始めたいと30歳で一念発起、3年間独学で学び2007年創業、2018年に法人化した。
創業当初から「他の人よりスタートが遅い分、何倍も努力しなければならない」という思いが強かった。

「安定に胡座をかかない」いつも“攻め”の姿勢で

コロナ禍で店舗の売上にも多少影響があったが、大量仕入れをしないことで極力無駄を省き、曜日や時間帯ごとの客層に合わせたきめ細やかなメニューを開発するなどの努力でなんとか耐え忍んできた。「それも東日本大震災での経験があったからこそ」と振り返る。そんな中でも恒常的・長期的に収益を上げていくための更なる“攻め”の事業展開を模索していた。
髙橋さんはあらゆる方向にアンテナを張り、頭に浮かぶアイデアは『社長ノート』にどんどん書き留めていった。ただ新たに事業展開を検討する中で、未だ経験のない食肉や加工品の物販など未知の分野への経験不足に対する不安があった。

『社長ノート』をカタチにしていく

そこで資金調達のための補助金申請をはじめ、新たな事業展開に対する様々な不安を解消すべく、地元の商工会に相談を持ち込んだ。「いろんなところに相談したけれど、一番ウチに寄り添って親身に支援してもらえた」と話す。
担当した経営指導員も、髙橋さんの事業展開に対する“攻め”の姿勢や『社長ノート』に記された様々なアイデア、何よりも勉強熱心な姿に心を動かされ、思いの一つひとつを優先順位をつけて整理していった。こうして毎日のようにミーティングを重ね、「社長はいつ寝ているのだろう」とその行動力に驚きつつも、徐々にお互いの信頼関係を築くことができた。
そしてようやく店舗運営の次の事業展開として、Webサイトの整備によるリアルタイムの情報発信、仙台牛を物販するECサイトの構築、店舗でのテイクアウトによる販売、高速道路SAや道の駅での加工品販売等々、新たな販路拡大をカタチにしていった。
そんな中で商工会に相談。ブランド力向上のため様々なアドバイスを受けた。持続化補助事業で新ロゴマーク(野菜をテーマに自然に感謝する意味を込めた)を作成するなどメンマに重点を置いた販路拡大に取り組んだ。社内でも様々な意見を交わし業務用に特化したECサイト『memma.com(メンマドットコム)』を立ち上げるなどwebサイトも刷新した。

“攻め” は続く

これからの展開として、オリジナルブランド「WILD MEET」というBBQ専用サイトの立ち上げやグランピングでの食肉・加工品の販売、その他BtoB販路拡大にも本格的に取り組む予定でいる。
「このコロナ禍では極端に路線を変えるのではなく、弊社が得意とする肉を軸に様々なことに挑戦し、少しずつ販路を開拓していきたい」
髙橋さんの『社長ノート』にはもうその次のアイデアが記されている。

株式会社丸髙商事「焼肉店 丸長」
髙橋英紀
本 店:南相馬市鹿島区鹿島字町138
新地店:相馬郡新地町駅前一丁目 B棟-2
平成19年7月個人開業(平成30年11月法人化)
飲食業
鹿島商工会
http://marucyou.com/

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