有限会社 スカイデンコー会津

斎藤慎司さん
会津を流れる阿賀川・只見川水系は全国でも有数の水力発電地域である。
その水力発電所の電気工事を請け負う『有限会社スカイデンコー』。
会津坂下町に新しく事務所を構え、地域の安定した電力供給に貢献する地元企業の2代目、代表取締役の斎藤慎司さんにお話を伺った。

少数精鋭の技術集団

『有限会社スカイデンコー』は2001年に西会津町で創業した。“スカイ(=SKY)”は創業した当時の、3名の名前の頭文字から取った。当初から東北電力関連の工事を中心に事業を展開し、徐々に実績を積み上げていった。その後、創業者のひとりであった先代社長の斎藤一則さんが事業を引き取り、技術力を高めるとともに仕事への信頼向上に尽力した。
2025年4月、斎藤慎司さんが父から事業を承継し2代目となる。現在、社員は9名。そのうち電気工事技術者が6名いる少数精鋭の技術集団である。

安定した電力供給の一役を担う

有限会社スカイデンコーは、東北電力関連で会津地域にある27か所の水力発電所において、電気工事を請け負っている。
水力発電所の電気工事には、電気設備の改良・更新工事をはじめ、制御システムや電気設備の施工、保守、点検など、高度な技術力を要する精密な作業が求められる。
「先代が一つひとつ積み重ねてきた技術力と信頼こそが、当社の強みです」と斎藤さんは胸を張る。「自分たちは、県内でも高い技術力を有していると自負しています」。その言葉には、これまでの実績に裏打ちされた確かな自信がにじむ。
同社は、「電気工事を通じて地域社会の発展と、安全で安定した電力供給に貢献すること」を使命に掲げ、日々、仕事と真摯に向き合っている。

経営を受け継ぐ覚悟

先代から事業を承継するにあたり、少なからず不安もあったという。「事業承継に伴う株式の引き継ぎや建設業許可の維持、事務所の移転など、目の前の課題に対応することはもちろん、経営を担う立場として自分自身の経営管理力を高めていく必要も感じていました」と振り返る。
先代が以前から商工会にさまざまな相談をしていた経緯もあり、承継に際しても引き続き商工会の協力を得ながら、事業承継計画書を策定した。その過程では、経営指導員が何度も斎藤さんのもとに足を運び、現状や課題を共有しながら、丁寧な伴走支援を継続。さらに専門家派遣も活用し、不安要素を一つひとつ整理・解決しながら、経営基盤の再構築を進めていった。
「商工会の支援があったからこそ、経営を受け継ぐ覚悟を固めることができたと思います」。その言葉には、次代を担う責任と決意がにじんでいる。

地域に必要とされる企業に

事業承継にあたっては、先代が築いてきた信頼をどのように守り、従業員をどのように導いていくかについて、大きな葛藤があった。同時に、経営を担う立場として、働きやすい環境づくりや自身の経営管理力の向上も不可欠だと感じていたという。
今後は、利益の拡大や受注の安定化を図りながら段階的に従業員を増やし、会社としての体制をさらに強化していく考えである。また、制御盤の更新工事を任せられる技術者を一人前と位置づけ、若手社員の育成にも長期的な視点で取り組んでいく方針だ。
2026年2月には、会津坂下町に新事務所が竣工予定である。「先代が創業した西会津町ではなく、この場所を選んだのは、会津地域に点在する各現場のちょうど中心にあたるからです」とその理由を語る。業務の性質上、現場への直行直帰が多いからこそ、「朝でも夜でも構いません。できる限り顔を合わせてほしい」と、社員との距離を大切にしたい考えだ。少数精鋭の組織だからこそ、日々のコミュニケーションが欠かせないと考えている。
「地域に必要とされる電気工事会社として、従業員とその家族の生活を守る責任を果たしていきたい」。その言葉に、経営者としての覚悟が凝縮されている。

父が築いた信頼に向かって

「これまでに父が築いてきた“信頼”は、本当に大きなものだと感じています」。
先代の仕事は、丁寧で美しく、しかも迅速だった。その積み重ねが、長年にわたり評価されてきた信頼の源である。新たな経営者は、その姿勢を受け継ぎながら、同じ高みを目指して歩み続けていく決意だ。
迷いのない表情で前を見据える眼差しには、次代を担う者としての覚悟と責任が、静かににじんでいる。

有限会社 スカイデンコー 有限会社スカイデンコー
斎藤慎司
福島県耶麻郡西会津町登世島字上ノ原道上甲347番地
平成13年
電気工事業
西会津町商工会

福島県商工会連合会イノベーションサポート INNOVATION SUPPORT

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